
漬物は冷凍できるのか?
野菜を漬物にすることが多いですが、漬物はそもそも冷凍できるものなのでしょうか?たとえば、白菜や野沢菜、これらは冷凍できるのか?
今回は、漬物は冷凍できるのか、冷凍保存はどれくらいもつのか、冷凍漬物が販売された事例、たくわんやきゅうりの漬物も冷凍できるのか?まとめてみます。
漬物は冷凍できます
余った漬物は無理やり食べようとせずに、冷凍庫で冷凍してしまうのもベターです。
漬物は、冷蔵で保存するのがベスト。それを長持ちさせるために冷凍することを思いつくことがあります。
冷凍して長持ちする食材もたくさんあります。しかし、漬物は、冷凍保存可能ですが、解凍後に、冷凍前の味に戻せるかどうかは分からないということです。
仮に野菜の漬物を冷凍してしまうと、野菜本来のシャキシャキした食感は基本的に失われてしまいます。冷凍保存する場合は、できるだけ水分を抜いてからフリーザーパックなどに入れて空気を十分に抜く。その後、冷凍保存することがポイントです。
失敗しない冷凍漬物の解凍方法は、こちらに記載しています。
冷凍すると味は落ちます。
基本的に冷凍した漬物の味は低下します。解凍後、元に戻りません。もちろん人によって味覚はそれぞれです。必ず元に戻らないとは言えない場合もあります。
たとえば、野菜は本来の水気を失ってしまうので、おそらく元の食感には戻らないでしょう。
漬物と言っても、さまざまです。野菜以外の漬物もあります。さまざまな漬物は冷凍できるものと冷凍できないものに分かれそうですね。
漬け方によって冷凍できる?
漬物は、食材だけではなく、漬け方もさまざまです。
- 浅漬け
- ぬか漬け
- 粕漬け
- 辛子漬け
- 味噌漬け
味や食感は人それぞれなので、食材や漬け方によってさまざまな感想があると思います。たとえば、すべての漬物は冷凍すると食感が悪くなる。冷凍はおすすめできないということがあります。
一方、大根や白菜は冷凍しても美味しい。茄子は冷凍したら失敗したという声もあります。
中には、漬物を冷凍して販売している会社もあります。つまり、漬物自体は冷凍して保存できることは間違いありません。
京都の老舗漬物屋が冷凍漬物を販売
京都の西本願寺に本店がある京つけものの老舗・西利さん。こちらでは夏にぴったりな冷凍漬物というものを販売されていました。
あえて凍らせて食感を楽しむという漬物。夏野菜を漬け込んだ凍らせて楽しい漬物。冷凍庫で保存し召し上がる直前に器に盛るというもの。
こちらの漬物の保存方法は、当然冷凍。冷凍していると発酵されていないかもしれませんが、これは千枚漬けや浅漬けのようなものかもしれません。
冷凍すれば、どれくらいもつの?
漬物を冷凍してどれくらいもつのでしょうか。冷蔵した漬物は、おそらく数日くらいは持ちます。もしくは漬物によってはそれ以上持つかもしれません。
冷凍の場合は、2週間〜長くて1ヶ月と言われています。
漬物の冷凍方法
漬物の冷凍方法をご紹介します。ポイントは空気を入れないこと、早く凍らせることです。
漬物を冷凍させるコツ
・なるべ空気を入れない
・早く凍らせる
空気に触れていると冷凍しても長持ちしません。もちろん遅く凍らせても同じです。
漬物の冷凍方法の手順
1、できるだけ水気を抜く
2、ジップロックやフリーザーパックに入れて密閉する、空気を抜く
3、すぐに冷凍庫へ入れて凍らせる
冷凍漬物の上手な解凍方法とポイント
基本はゆっくり低温解凍
冷凍した漬物は、食感を極力損ねないよう冷蔵庫でゆっくり自然解凍するのがベストです。
前日から冷蔵庫に移しておけば、翌日には程よく解凍されています。
急いでいる場合でも常温放置は避け、密封袋ごと流水に当ててゆっくり解凍しましょう。解凍後に出る水分は風味劣化の原因になるため、ペーパータオルで軽く拭き取ってから盛り付けると良いです。塩分の強い漬物(例:梅干しや塩漬け野菜)は、直接水に浸して塩抜きしながら解凍すると塩味が和らぎ美味しくいただけます。
NGな解凍方法
電子レンジ解凍など高温で一気に解凍する方法はおすすめできません。
急激な加熱により漬物内部の水分が流出し、繊維が壊れて食感が大幅に低下してしまうためです。特に生の食材を使った漬物はレンジ加熱で風味が変わりやすいので注意してください。
多少時間がかかっても低温でじっくり解凍することが、美味しさをキープするコツです。
半解凍で楽しむ方法
解凍しすぎずシャリシャリ感が残る半解凍状態で食べると、ひんやりして夏のおやつ代わりになるユニークな食べ方もあります。実際、京都の老舗漬物店・西利では、夏に凍らせた漬物を販売し「冷凍庫から出してすぐ器に盛って召し上がる」という新しい食べ方を提案しています。
完全に解凍せず少しシャーベット状にすることで、通常とは異なる食感を楽しめます。漬物好きな方は一度試してみる価値ありです。
きゅうりの冷凍漬物
きゅうりの漬物は、冷凍で保管できます。食感や味はやはり変わってしまいます。小さく切ったり小分けに冷凍したりしてみましょう。一気に作って、まとめて冷凍保存する方が多いですね。
たくあんの冷凍漬物
たくあんの漬物も冷凍できて、色や味、食感が変わってしまうかもしれませんが、食べるのに問題はありません。
青菜漬やおみ漬は冷凍保存できるか?
基本的にほとんどの漬物は冷凍保存可能ですので、当然、青菜漬やおみ漬けも冷凍保存できます。冷凍での保存期間は2週間〜長くて1ヶ月でしょう。
冷凍した漬物の活用レシピ・アレンジ
炒め物やチャーハンに活用
冷凍保存後に食感が落ちた漬物は、細かく刻んで炒め物の具材にすることで美味しく再生できます。例えば、高菜漬けや野沢菜漬けは解凍後にごま油で炒めてチャーハンの具にすれば、シャキシャキ感がなくなっていても旨味たっぷりの漬物チャーハンになります。
漬物の塩気があるので味付けも簡単です。前日に残ったご飯と冷凍漬物があれば手早く一品作れるのもメリットです。
刻んで薬味やタルタルソースに: 解凍した漬物をみじん切りにして、薬味やソースの材料に使うのもおすすめです。キュウリの漬物は細かく刻んでタルタルソースやタルタル風のディップに混ぜれば、ピクルス代わりになり風味豊かなソースが作れます。
刻んだたくあんやしば漬けはマヨネーズと和えてディップにしたり、ポテトサラダに加えて食感のアクセントにしたりできます。漬物そのままでは食感に違和感があっても、調味料として活用することで最後まで美味しく消費できます。
揚げ物やスープの具にも
水気を切った解凍漬物に小麦粉・卵・パン粉で衣を付けてフライにすると、新感覚のおかずになります。
漬物の塩味と酸味が程よく効いたさっぱり風味のフライは、お酒のおつまみにも◎。また、細かく刻んだ漬物は味噌汁やスープの具材としても優秀です。特に白菜漬けや野沢菜漬けはスープに入れると野菜の旨味が染み出し、簡単にだし代わりになります。解凍後に柔らかくなった漬物も、加熱料理に転用すれば無駄なく活用可能です。
「冷凍した漬物を最後まで美味しく食べ切る」アイデアとしてぜひ試してみてください。
漬物を冷凍するメリット・デメリット
メリット(保存期間の延長)
冷蔵保存では数日程度しか日持ちしない浅漬けでも、冷凍すれば約2週間~1か月ほど保存可能です。食べきれず余った漬物を捨てずに済み、食品ロスの削減につながります。観光で購入したお土産漬物も、冷凍しておけば旅先から持ち帰ってゆっくり楽しめます。業務用に大量仕入れした場合も、冷凍保存で在庫管理がしやすくなります。
デメリット(風味・食感の低下)
冷凍・解凍によって漬物本来のシャキシャキ感や風味が落ちてしまう点には注意が必要です
。特に水分の多い浅漬け類は解凍後に食感が大きく損なわれるため冷凍には不向きです。また、凍結中は発酵が止まるため、漬物の熟成風味や乳酸菌の働きも弱まる可能性があります。漬物を美味しく味わうには基本的に冷蔵保存が望ましいものの、「少しでも長持ちさせたい」という場合の手段として冷凍が役立ちます。
冷凍向きな漬物と、不向きな漬物
冷凍に適した漬物: 水分が少なめで繊維質がしっかりした漬物は比較的冷凍に向いています。例えば、高菜漬けや野沢菜漬けなどの葉物漬物、塩分が強めの古漬け類は、解凍後も味や食感の変化が少なめとの声があります
大根のたくあんなども冷凍保存しやすい代表です。実際、「高菜漬けを買ったらすぐ冷凍して少しずつ使う」という常連さんの知恵もあります。
塩分が強く水分が少ない漬物ほど凍結による品質劣化が起きにくく、業者の大量仕込みを小分けにして販売する際にも冷凍が活用されています。
冷凍に不向きな漬物: 浅漬け・ぬか漬け・ナスの漬物・キュウリの一本漬けなど、水分含有量が高い漬物は冷凍による影響を受けやすいです。
解凍後に「思ったような食感に戻らない」場合が多く、シャキシャキ感やみずみずしさが損なわれてしまいます
例えばキュウリは冷凍後に柔らかくなりがちで、ナス漬けは色や風味が変わりやすい傾向です。「茄子の漬物は冷凍したら失敗だった」という声もあるほどです。このような漬物は、どうしても保存したい場合でも冷凍より冷蔵で早めに食べきることをおすすめします。
観光客必見、お土産漬物を長持ちさせるコツ
真空パックと冷凍で持ち帰り安心: 旅行先で購入した漬物は、持ち運びの間に傷まないよう工夫しましょう。まず真空パックや密閉容器入りの漬物を選ぶと安心です。
さらに長時間の持ち歩きや海外への持ち出しの場合、出発前に一度冷凍しておくのがおすすめです。漬物をしっかり凍らせて保冷バッグに入れれば、移動中も温度が上がりにくくなり、目的地に着くまで鮮度を保ちやすくなります。
特に夏場や遠方への輸送ではこの方法が効果的です。
ホテルでの保存と解凍
旅行中に食べきれない漬物は、宿泊先の冷蔵庫で保管し、可能であれば冷凍庫で凍らせてしまいましょう。持ち帰った後は冷蔵庫でゆっくり解凍すれば、旅先の美味しい漬物を自宅でも新鮮な状態で楽しめます。現地で買った漬物をより長く味わうために、冷凍保存を上手に取り入れると安心です。せっかくのお土産を無駄にしないためのひと工夫として覚えておきましょう。
業者も安心、大量漬物の冷凍保存と在庫管理術
まとめ仕込みを小分け冷凍
漬物製造業者や飲食店など、大量の漬物を扱う場合は冷凍保存が在庫管理に役立ちます。例えば仕込み過ぎて売れ残った漬物も、適量ずつ密封パックに分けて冷凍しておけば品質を大きく落とさずにストック可能です。
必要なときに必要な分だけ解凍できるため、フードロスを削減しながら計画的な提供ができます。
特に季節限定で仕入れた野菜の漬物などは、一度に売り切れなくても冷凍保存で徐々に販売でき、機会損失を防げます。
冷凍前提の商品展開
冷凍技術を活用した新商品開発も一案です。
京都の老舗・西利の例にもあるように、意図的に漬物を凍らせて提供することで話題性を生むこともできます。
業務用では、漬物を具材化した冷凍食品(漬物チャーハンの具や漬物ミックスなど)として商品化することも可能でしょう。
漬物専門店として培った知見を活かし、冷凍×漬物の新しい提案を行うことで他店との差別化や付加価値創出にもつながります。
品質チェックと信頼感: 業者向けには、冷凍保存した漬物の品質検証も欠かせません。長年漬物一筋で歩んできた玉井商店の経験から言えば、冷凍期間や解凍方法によって微妙な風味変化が起こることがあります。
大量生産・販売の場合は特に、試験的に冷凍→解凍を行って味や食感を確認し、商品クオリティを維持することが重要です。
適切な管理を行えば、「老舗のプロが認めた冷凍保存法」としてお客様にも安心して提供できるでしょう。
漬物のプロとしての権威性を示しつつ、顧客への信頼感アップにもつなげていきます。
まとめ
今回は、漬物は冷凍できるのか、冷凍保存はどれくらいもつのか、冷凍漬物が販売された事例、たくあんやきゅうりの漬物も冷凍できるのか?まとめてみました。